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EXIT TOWN

出口の町

生まれ育ち、今も暮らすこの地域は関東平野の端にあって、大いなる自然も都市的景観も持ち合わせていない。

ポンプ式に様々な事物が届けられ、それらが押し出された町の端では人工と自然、中心的と局所的、新しいものと古いものが入り混じる汽水域のような境界が見え隠れしている。       

一方、町の外れには利根川が流れている。源流から河口への雄大な流れの循環から90°視点を変えてみれば、そこは町から様々なものが流れ着く最終地だ。消化しきれなかった我々の生活排泄物とも呼べる澱が草むらに覆われ点在している。県境でもある川は低い土地であり、町の出口と呼んでよい場所だ。

この地域には決して魅力的な景色があるわけではない。多くの人が「何もない」という土地にはしかし、何もない景色があって、私にとっては、明媚な風景よりも自然について、都市的な風景よりも生について強く響いてくる。

Sptember 10,2025

川や草それ自体は私にとって自然ではない。 勝手に発生しているような気になっている草むらが実はそこに生かされ管理されているということ。 それらが様々な建造物と均衡を保ちながらも、毎年分布域を変えているということ。 また生活の痕跡としてのゴミや投棄物が上流、あるいは町から流れ着いて草木の茂みの中に隠れているということ。 そういった状態こそ自分にとって自然なのだということに何年と河原を歩いているうちに気づかされる。
川世界
October 1,2016

PROVINCIAL CITY

地方都市

地方都市という町は存在しない。それは首都圏以外のあらゆる都市のことを指すのだという。にも関わらず日本全土に無数にある相対的なこの都市に僕はいつしか惹きつけられるようになっていた。

June 6 2014